20Feb

今回は、「ビジネスで使える!ズルい心理学5選」と題して、知っているだけで様々なビジネスシーンで有利になる!心理学に関していくつか紹介します。
それでは早速内容にまいりましょう。
「心理学」と聞くとピンとくる方が多いと思いますが、対人関係やセールスなど、日常生活の至るところに心理学を応用している企業は、既に数多く存在しています。
この動画で解説するのは、そのようなビジネスの現場で応用できる心理学と、その具体例です。これを知り、使えるようになると面接や商談など、様々な場面であなたの有利な方向に進めることができるようになり、仕事の成果も上がると考えております。
正直、このようなものは集めようと思えばいくらでも集まるのですが、この動画では、私個人が特に重要だと思う心理学を五つピックアップしてご紹介しますので、ぜひ最後まで見ていただけると幸いです。それでは一つ目から参りましょう。
ズルい心理学① ハロー効果
ズルい心理学その1、ハロー効果。一つ目は「ハロー効果」です。これは結構聞いたことがある人が多いと思っていますが、ハロー効果とは、身につけているものや体格、顔などの外見や立ち振る舞い、話し方など、表面的な要素が意思決定に影響を与えるという心理法則です。
主にプレゼンやセールスなど、人と話して自分の意見を通したいときや面接など評価をしてもらうときに意識すべきポイントです。例えば全く同じ内容のプレゼンをするとき、スーツを着ているのか、スウェットを着ているのかで、説得力が変わるというのはなんとなく理解できるかと思います。
同じように、ハキハキと喋るのか、小さな声でボソボソと喋るのか、上司が喋るのか、知らない人が喋るのか、内容が全く同じでも、それらの表面的な違いが全体の意思決定を左右してしまいます。これはかなり強力な法則で、とある心理実験では、堂々とした態度で間違ったことを言う人、自信なさそうに正しいことを言う人、どちらの指示に従うかを調べたところ、多くの人が間違ったことを言う人に従ったというほどです。
このことからも、良いか悪いかは別として、本質的な部分よりも表面的な部分の方が意思決定に対する影響度が大きいということがわかります。これを逆手にとって、背筋を伸ばして堂々とした態度をとる、大きな声でハキハキ喋る、綺麗な身のこなしをするなど、他人と話すときは、表面的な部分に注意を払うことで、自分にとって有利に話を進められる可能性が高くなります。
ただ、絶対に忘れてはいけないのは、本当に大事なのは本質的な部分であるということです。上っ面のテクニックで他者評価を上げても、あなた自身が変わらなければ結局何も変わりませんし、後に説明する「ゲインロス効果」で期待外れだったと、悪い印象を持たれてしまうリスクもあります。
なので、本質的な中身を磨きつつも、それをうまく使うために、うまく伝えるために有効な方法ということで押さえておいていただけると、いろいろはかどるかと思います。というわけで、一つ目はハロー効果でした。次に参りましょう。
ズルい心理学② ザイオンス効果
ズルい心理学その2、ザイオンス効果。二つ目は、ザイオンス効果です。これも有名な部類に入るかと思うので、知っている方も多いと思っています。このザイオンス効果は、日本語では「単純接触効果」とも言われています。どういうものかというと、目に触れた回数が多いほど好印象を持ちやすい、という心理法則で対人関係を良好にするために使われています。
ビジネスの場面では、主にマーケティングに応用されていて、実際にこれを利用したマーケティング手法の代表例が、CMです。例えばあなたがコンビニで水を買うとき、どれを買うでしょうか?めちゃくちゃ水フリークでない限り、コンビニに売っているペットボトルの水は、値段も味もほぼ一緒だと思っていますが、大半の人は名前を聞いたことがあるからという理由で、CMで流れている有名ブランドを選ぶと思います。
人は何度も目にすることで、無意識のうちに好感度が上がっているからです。同じことが営業の場面でも言えます。足を使った営業では、契約などの話はせずに、まずは信頼関係の構築を優先し、訪問のたびに名刺を置いていきます。
最初は相手にされないかもしれませんが、諦めずに続けていくと、次第に好感を持たれるようになり、商談の話ができるようになる可能性が高くなります。もちろん現場では心理学の効果がそのまま出るということはなく、様々なパラメータが存在するため、そんな簡単な話ではないというのも一理あるのですが、一般的な人間の傾向として、このような特性を持っている、ということを知っているか知っていないかでは、営業時の仮説立案などの精度に影響を与えると思っています。
あくまで心理学的な一般的な効果としては、あまり良い印象を持たれていないと思っても、このように接触回数を増やしていくだけで、良好な関係と発展させることができるというものです。ただ、接触するときは相手にあまりストレスを感じさせないように気をつける必要があります。
毎回、上から目線で話しかけていては、何回かを合わせても相手は不快に感じてしまいますし、正直うざいなという印象を与えて終わりです。CMもクレームが入ってしまうような内容だと、商品企業へのマイナスイメージがついてしまい、売れなくなってしまいます。
というわけで、二つ目はザイオンス効果でした。
ズルい心理学③ 一貫性の法則
続いて三つ目に参りましょう。ズルい心理学その3、一貫性の法則。三つ目は、一貫性の法則です。この法則を聞いたことがない人向けに簡単に解説すると、人は自分の考え、行動を一貫したものにしようとする本能があるというものです。
人が自分の考えに沿った行動をするのはそのためですと、ここまで聞くと、「当たり前やろ!」となりそうなので、具体例を挙げていきます。
超ざっくりとした例ですが、男女がデートをするときに、「自分はこの人が好きだからデートをしている」と考えるようなイメージです。これは逆も成り立ちます。人は自分の行動に沿った考えをするようになっています。どういうことかというと、自分の考えと行動に矛盾が生じたときは、どちらかに合わせる傾向があり、その場合、大抵は行動の方に合わせて考えを変えてしまいます。
何とも思っていなかったが、デートをしたら好きになったというように、一見順番は逆ですが、このように行動に合わせて考えが変わってしまうこともある、ということです。行動につじつまを合わせる形で思考を変えてしまう、というちょっと恐ろしいものでもあります。
ここまでは恋愛などのプライベートに寄った具体例でしたが、この法則はセールスなどの交渉の場面、マネジメントなどでも役立ちます。その代表例が、車や新築住宅など、契約交渉でよく使われるクロスセルです。このクロスセルについて詳しく解説します。
クロスセル
車を買うときは車本体だけでなく、タイヤ、カーナビ、バックモニター、保証などなど、たくさんのオプションの中から必要なものを選んでセットで購入します。ディーラーはお客様に対して、車本体の価格のみ提示して、まずは買うか買わないかだけを決断させます。
そのためには、値段交渉も積極的に行います。そこで客が買うことを決め、売買契約のサインをした後に追加のオプションについて説明していきます。客はもう既に買うことを決めているので、オプションの必要性をうまくプレゼンできればオプションも付けてくれます。
その結果、一度買うと決め、オプションにも同意しているので、最初の予算よりも高くなったとしても、やっぱりやめたとキャンセルされる可能性が非常に低くなり、高利益を上げられるというのがクロスセルの王道パターンです。
フットインザドアテクニック
このように、一度ハードルが低い要求を受け入れてもらった後で、追加で要求を通す交渉方法のことを「フットインザドアテクニック」と呼びます。もちろん実際の交渉現場では、このように簡単に話が進むことも多くはないと思いますが、知識として押さえておくだけで営業時の手数が増えて、これを応用することで、商談など難しい交渉を有利に進めることができます。
はい。というわけで、三つ目は一貫性の法則でした。
ズルい心理学④ ピグマリオン効果
続いて四つ目に参りましょう。ずるい心理学その4、ピグマリオン効果。四つ目は、ピグマリオン効果で、日本語では「教師期待効果」と呼ばれています。これはあまり有名な部類ではないと思っているので、どういうことかを説明すると、人は期待された通りの振る舞いをするという心理法則で、ビジネスの現場では、主にマネジメントにおいて大きく役に立ちます。
具体例として、ピグマリオン効果を証明した実験の内容を紹介します。アメリカサンフランシスコの小学生を対象に、ハーバード式突発性学習能力予測テストという名目で、知能テストを行いました。その後、テストの結果に関係なく無作為に生徒を選び、成績の向上が期待できる生徒として担任教師や生徒本人に伝えました。
それと、昨日テストの結果が同程度だった生徒同士を比較したとき、期待された生徒は、そうでない生徒よりも学校の成績が良くなりました。このように期待されることで人はその通りの人物に近づいていくというものです。
これを部下のマネジメントに応用することができます。例えば、計画性がない部下がいて、その欠点を直したいときは、本人に対して「君のいいところはスケジュール通りに動いているところだ。これからもよろしく頼む!」と褒めてあげます。
これは完全に嘘なのですが、言われた本人はその通りに振る舞うようになり、自分のスケジュールを意識するようになって、計画性を持つようになってくれます。ただ、このとき、嫌味にならないように無理のない褒め方をするようにしましょう。
明らかにできていない部分に対して「君はすごい」と言っても、茶化しているようにしか感じないと思うので、そのような部下はまず底上げを行い、絶妙のタイミングでピグマリオンをぶち込みましょう。
はい。というわけで四つ目はピグマリオン効果でした。
ズルい心理学⑤ ゲインロス効果
それでは、次で最後です。ズルい心理学その5、ゲインロス効果。最後に紹介するのは、ゲインロス効果です。人はギャップを感じたときに印象が強くなる、という心理法則で、マネジメントやプレゼンなどに応用できます。例えば不良がお年寄りに優しくしていると、その不良が本当はすごくいい人なんだという印象を受けたり、アニメでツンデレキャラが魅力的に感じたりするのも、このゲインロス効果によるものです。
これをビジネスシーンに応用した例を解説していきます。マネジメントの場面では、部下に強めに注意するときに使えます。何度か注意しても変わらない部下に対して注意するときは、強めの言葉や態度をとることも必要な場合がありますが、これは一つ間違えると、より反感を買ってしまうなど、信用がなくなってしまうリスクがあります。
なので、強めの言葉で叱った後、すぐさま相手に対して、「でも君にはこういういいところがあって、個人的にはそこを高く評価している。だから、こんなつまらないことで評価を下げるようなことはしないでほしい」と優しい言葉でフォローをしてあげます。
すると、言われた部下は怒られて落ち込んだところに優しい言葉をかけられることで、よりあなたからの期待や信頼を感じてもらえます。もちろん、マネジメントはこんなに単純ではないので、教科書通りにということにはならないと思いますが、この効果を知っておくのは必ずあなたの武器になります。
また、プレゼンの場面でもゲインロス効果を使えます。商品のメリットを説明するときは、ただいいところをひたすら売り込むのではなく、デメリットを先に説明した上で、メリットを説明するとメリットが強く感じられるだけでなく、あなたに対する信頼も得られます。
面接で自分のエピソードを語るときも、うまくいった結末だけを話すのではなく、一度失敗してピンチになったけど、結果それを切り抜け、うまくいったと、波があった方が相手の印象に残りやすいです。注意してほしいのが、このゲインロス効果は、悪い印象に対しても働くということです。
例えば面接で期待されて入社したは良いものの、実は全然仕事ができなかった人を見ると、普通に仕事ができない人よりも悪い評価になるなど、仕事のミスが目立ってしまいます。その点にも注意しておきましょう。
というわけで、五つ目はゲインロス効果でした。
まとめ
長々と話してしまいましたが、最後にこの動画の内容を振り返ってまとめていきます。
ビジネスで使えるズルい心理学、一つ目は「ハロー効果」で、表面的な印象が意思決定に影響するということ。
二つ目は「ザイオンス効果」で、接する回数が増えると好印象を持たれるということ。
三つ目は「一貫性の法則」で、人は行動に合わせて考えを変え、それを貫くということ。
四つ目は「ピグマリオン効果」で、人は期待された通りの人物になるということ。
五つ目は「ゲインロス効果」で、ギャップを感じたときに印象がより強くなるということ。
ぜひこれらを覚えて、ビジネスシーンを有利に進められるようにしましょう。
ビジネスで使えるズルい心理学5選の解説は以上です。